リサイクルができない国でリサイクルを始めた話。物品援助は意味がない?援助慣れの体験談。

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こんにちは。
青年海外協力隊のさきこです。

私は青年海外協力隊のなかでも
環境教育という職種で派遣されています。

環境教育って何するの?と思ったあなたへ

廃棄物関係にかかわるものが主な仕事です。

今日は私がラオスにきて一年目
ごみ分別をはじめたとき感じた

援助なれについてお話します。

ラオスのごみ処理、リサイクルの現状

ラオスはリサイクルできる技術がありません。

ごみはまとめて回収、そのままごみ処分場へ

ただし、国としては分別して回収は行っていないのですが、
民間の会社が集めて、タイやベトナムに販売しています。

プロジェクトの現状

私が青年海外協力隊として来る前、
JICAの専門家も関わっていた
とあるプロジェクト。

環境にかかわるものですね。
そこでプロジェクトで始めたのが
資源ごみの分別
リサイクル活動

私が赴任する前、このプロジェクトが終了。
つまり、外国人専門家がいない状況になったのですが、
私が赴任したときも分別は継続されていました。

これってすごいことです!

国際協力の現場では、
プロジェクト期間が終了したら
一緒に物事もストップしてしまうことも
珍しくありません。

例えばプロジェクトで
ごみ分別が始まって
もなかなか習慣がつかない。

頭ではわかっていても
行動が伴いわない。

なぜならそれがラオスの人にとって合理的だから。

でもごみがお金に変わるっていうことが
学生や先生たちを行動に起こさせる
原動力になっているみたい。

ごみ分別する学校を増やしたい

私が住んでいる町、
ラオスサイニャブリ県サイニャブリ群で
リサイクルを行っている学校は3校のみ。

ほかの学校でもできないか?
ということをカウンターパート
(仕事上のパートナー)に相談しました。

継続されてるし、
ごみは減るし、
売ってお金になるし
ごみに関心もつきっかけになるし。

知り合いの先生で協力的な人がいるとのこと
確認してもらって学校の先生にも
オッケーをもらいました

現地業務費申請と援助慣れ

ここで現地業務費を使わせていただきました。

業務費申請とは
受入国での配属先が抱える様々な問題の中には予算的な問題もあり、資機材の不足等から効果的な活動が期待できない場合があります。この状況を、先方の自助努力を促しつつ解決するために、JICAがボランティアの活動経費を支給する場合があります 。 (JICA)

今回、プロジェクトでJICAが他校にも購入した
保管倉庫が必要とのこと。

職場にも少しだけでも
資金をだしてもらえないか交渉しましたが、
無理でした。
建設会社に値下げ交渉はしてくれたけど。

まあでもせっかく職員も先生も乗り気だし。
継続性あるし。
倉庫を購入の方向で進めました。

加えてリサイクル会社に買い取り価格の確認を
カウンターパートにお願いしてました。

タイやベトナムに売るため、
買い取り価格が安定しないのです。

職員との意識の違い

そして学校の先生との打ち合わせもすみ、
生徒に向けて分別の説明会、
ごみのレクチャーをしに行く話をしていたとき

カウンターパート
さきこ!学校に説明しにいく日程は来週でいいかな?

もちろん!会社の買い取り価格はいくらになった?

カウンターパート
じつは会社がごみを買い取ってくれるか確認してないから
わかんないんだよね~~ 。
というか今はたぶん難しいよ。

ええーーーーー!

買い取ってもらえないなら、分別の意味がない。
なぜなら分別しても結局ごちゃまぜになって
回収されちゃうから。

てゆうか倉庫買っちゃったし!

まさか買い取りできない可能性があるなんて
思ってもいませんでした。

買い取れない可能性があるなら
倉庫建てる前に言ってよーとも思いましたが

そもそもリサイクル会社の確認を
カウンターパートに任せて安心していた自分のせい。

カウンターパートがリサイクル事業にオッケーを出す
=買い取りはできると思い込んでいたのです。

そしてこの状況で学校に分別の説明しに行こうという
カウンターパートが理解できませんでした。

そして

カウンターパート
もし買い取ってもらえなかったら
JICAが買った倉庫無駄になっちゃうね
はははーー

と笑われました。

これがすごーくショックでした
物を買うって難しいなあと実感。

職員との話し合いが足りなかったのかなーとか
結局は押しつけなのかなーとか
自己満だったのかなーとか

私からすると、
日本のみなさんが一生懸命働いた中での
大切な大切な税金の一部。

その一部で、少しでもリサイクル技術がなく
環境やごみに対する意識が低く
学ぶ機会も少ない子供たちにとって
ごみやリサイクルを考える
きっかけになればいいなと思ってたけど、、

上司を説得してリサイクル会社を訪問

課長にもお願いして
リサイクル会社に確認に行くことに。

一キロ1000キープ(13円くらい)で
無事買い取ってもらえることになりました。

とりあえず一安心。

今思うと、リサイクル関係って
あまりよろしくない団体と
つながっていたりするので
それでカウンターパートも
行きたがらないのかなーと。

買ってもらったものは大切にしない

いざ話し合って
私も必要って思って購入しても
やっぱり難しいなーという印象です。

今回のごみ分別とリサイクルが始まって
リサイクル技術がない国の生徒も
ごみに関心をもってくれるかもしれない。

その点で全く意味がないわけではないけれど。

ただ、今回のことで実際に分別を行う
学校や生徒がどう感じるか別問題ですが

私の配属先は
先進国=簡単に物を購入できる
と思ってるんだなー

たくさんの先進国から物品援助
資金援助を受けているラオス。

今回だけではなく、
ラオスのいたるところで
そんな現状が見れます。

町中を歩いていても
援助で購入されたもの
建設されたものがたくさんあります。

もちろん役に立っているものもたくさんありますが
いつの間にか使われなくなってしまったり
壊れたまま放置だったり。


これもJICA援助。
壊れたから新しいものがほしいと言われる。

そんな状況をたくさんみてきました。

買ってもらう、壊れたら
また新しいものを買ってもらう。

先進国=お金を持っている。
何か買ってくれる。
そんな認識を持っている人が
私の周りには多いです。

物を大事に扱わない、
そんな状況にいざ自分が直面すると

日本では感じたことのない
とっても嫌な気持ちになります。
けっこう精神的にきつい。

ただいそんな認識を作ってしまったのは
今まで援助しつづけた先進国の
責任でもあります

援助を求める側を一概に
せめることはできないですね。

国際協力って、援助って、
自立できない依存心を
生み出してしまう可能性も大いにあるなーと。

ちょっと長くなってきたので、
学校でのごみ分別についての続きは
次の記事で書きたいと思います。

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